水利施設を次世代に 中島　賢二郎

4.水利施設の改築

■水利施設の改築についてお話しする前に、水利施設の特性について説明します。

水利施設は農業水利の長い歴史を反映して、幾度かの変遷を経てきています。小規模で不安定な水源から大規模で安定した水源への転換に伴う用水路系の統合、用・排水路の分離、暗渠化、管水路化が行われ、さらに材料面では土水路から石積水路、コンクリートブロック積水路、現場打ち大型鉄筋コンクリート水路、プレキャスト鉄筋コンクリート開水路への移行、大口径既成管の活用へと大きく変化してきています。また水利システムについても、開水路系主体から管水路系の多用へと大きく変化をし、用排水の管理が高度化し水利の制御が自動化されるに至っています。

このように水利施設は改築を繰返す特性を有しています。この繰返される改築は、単に構造物の改造ではなく、時代の変化や営農条件の変化に対応して機能や性能を向上させてきた歴史であると理解すべきでしょう。

中島　賢二郎　H20.5.14
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